ALFA33はこんな車
ALFA33をご存じですか?日本では、インポーター不在の時期が長く続き
1983年にデビューしたALFA33ですが、日英自動車が僅か数台を正規輸入したに過ぎませんでした。
ALFAROMEOの歴史の中で最も多く生産され販売されたのが33の先代ALFA SUDです。SUDは1972年から84年まで作り続けられ(SPRINTは89年まで生産)
ロングランを記録した名車でもありました。SUDに次いで第二位の販売台数を記録したのがALFA33です。
1.3の水平対向エンジンからスタートした33は排気量も1.5、1.7にまで成長し、1.7にはシリーズ最強の16Vもお目見えしました。
さらには86年に1.8のターボディーゼルも登場。ボディースタイルはハッチバックセダンの5ドアとセダンより約12cm全長が長いワゴン
が有ります。
ワゴンのデザインと生産はアルファロメオと非常に親密な関係にあったピニンファリーナが担当します。
ですから、33のセダンは93年には生産を終了していますが、ワゴンは95年頃までピニンファリーナの工場で生産されていたようです。
33の基本的な作りはSUDと同じです。エンジン・シャーシはSUDからのコンポーネントを流用されて作られています。
ですが、当時技術提携をしていた日産からの影響でしょうか、コストダウンの為の変更点もいくつかあります。
SUDの大きな特徴であるインボードブレーキは通常のアウトボードに変更されていますし、
4輪ディスクもリアはドラム式に変えられています。だから、SUDと33はキャラクターがずいぶん違っていると言えます。
スポーティーを全面に出したSUDとは対照的に33はファミリーセダン的要素が多く、
エルマノ・クレッソーニ率いるアルファスタイリングセンターのデザインは、ジウジアーロがデザインしたSUDに比べると
保守的なデザインにとどまっていて、これは僕の勝手な想像だけれど、33はSUDの後継モデルと言うよりも、
ヌオーバ・ジュリエッタとSUDの中間に位置し、不振だった販売台数を延ばしたく
コストを下げて利益を上げたかった売れ筋の大衆車モデルだったのでは?と云うこと。
僕の手元に有る1983年のイギリスのインポーターが発行したカタログにはSUDも33も載っており、
スポーティーさを全面に出したSUDと違って33の後部にはゴルフクラブが置かれており、後に発表されるARNAの方が33よりも
スポーティーなイメージを持っている。
ARNAは3ドアのARNA Lと5ドアのSLの2車種が1.2リッターで,
1.3リッターのARNA Tiも用意された。ボディーは日産のパルサーそのもので、フロントにはちゃんと伝統の盾も付いていた。
日本では、パルサーミラノX1という名のイタリアの車をイメージした名前で若者にも人気のパルサーだったが、
ALFAROMEOのARNAとは違っていた。僕はARNAに乗ったことが無いので何とも言えないが、エンジンだけがSUDと同じで
新設計のミッションとサスペンションはSUDと違う物だったから、SUDのようなオン・ザ・レールなドライビング
は得られなかったのでは無いだろうか。
ARNAは僅か2年という短い生産年数で終わったが、33はその後も何回かのマイナーチェンジ
をしデビュー当時は薄かったスポーティーさも増し10年以上生産されてゆきます。33は大きく分けて前期型と後期型に分かれる、
前期型にもいくつかのグリルに分かれるが伝統の盾は五角形で、はっきり言って格好が良くない。
ワゴンのグリルはやや三角形に近い形で、グリルの形状も少し違っていた。SUD SPRINTの生産が終了した89年に33は大きな
マイナーチェンジを受ける。
すっきりとした顔つきになり、セダンはリアのコンビネーションランプも大きく変わって、当時のフラッグシップモデル164
によく似たデザインとなった。
そのときのデザインを担当したのが、入社したばかりワルター・デ・シルバだったらしい。ALFAROMEOに来て最初の仕事が33だったと、
彼のインタビュー記事で読んだ事が有る。
ワゴンのリアコンビネーションランプは形状の変更はないが、ブラックアウトされてスポーツワゴンにふさわしい物になった。
余談ですが、デトマゾパンテーラのテールランプと33スポーツワゴンのは同じ物です。
僕のALFA 33

とまあ、簡単に33とその関係車両に付いてまとめて見ました。僕のALFA 33はご覧のようにワゴンボディーの1.7 IE sports wagonです。
1.7には8Vと16V、触媒付きと無し、キャブレターとインジェクションが有ります。日本に入ってきた33の多くはワゴンだと思います。
セダンは16V(後期型)が圧倒的に
多いかも知れません。何せ、正確なデータが無い車です。いつ頃何台日本に入ってきたのか?と言う情報は比較的良く流れて来ますが、
(正確かどうかは別として)
今何台の33が登録されているのか?
前期型は何台くらい有るのか?などの詳細な情報が有りません。僕の知っている限りだと、前後期合わせて20台程の存在を認識して
いますが、果たして現在動いている車両なのか、オーナーの変更があったのかなどの詳細は解りません。
僕の33は1995年が初年度登録です。年式は解りません。
購入時期は、翌96年3月で走行距離は340kmでした。登録から約一年経っていましたが、いわゆる新古車と
いうやつです。今年(2004)で丸8年乗ったことになります。走行距離は昨年10月に10万kmに達しました。8年間のうち最初の5年は
長野県蓼科高原で使用しておりました。
蓼科では主に通勤に使っていたため、走行距離の伸びも早く5年間で8万kmを走行しており、
箱根に来てからは、通勤が無くなった事や147を買ったこと
足車に国産のワンボックスがあったり、趣味を満足させる車にMG ミジェットを買ったことなどで、
走行距離はあまり伸びませんでした。
ちょい乗りを含め、1.5のキャブ仕様のワゴン、1.7の16Vのセダン、1.7(8V)の4×4のキャブ仕様のワゴン、1.7の16VのQ4のワゴン
に乗った経験が有ります。
それぞれに持ち味があって、どれも素晴らしい33でしたが、僕は密かに1.7の8Vのワゴンが最も素晴らしい走りをもたらしてくれると
信じています。
そう、僕の車です。16Vは確かに3.500回転辺りからのパワーを感じるし、パワーも8Vよりは少々出ている感じです。
でもエンジンバランスは8Vの方がいいです。
8Vは下から上までスムーズ吹け上がり方をしますが、16Vは下が弱いです。ボディーもワゴンの方が前後重量のバランスが良いです。
エンジンは16Vよりも軽量だし
、車重だって1.000kgを少し切ります。(実測で998kg)4輪駆動車は車重も重くなりヒラリと舞う感じが少し弱くなります。
僕の1.7はインジェクションですが、まるでキャブレターのようなフィーリングをもたらしてくれます。
145のツインスパークもそんなエンジンでしたね。

8Vと16Vはプラグが違います。どちらも純正はロッジですが、8Vが25HL-Dで16Vが2HLです。
2HLの方が高回転型です。僕の33に付いて云えば、プラグはロッジの25HL-Dで無ければ駄目です。味が全然違うのです。
以前NGKを試しましたが、フィーリングがガラリと変わりました。あなたの33のプラグがロッジで無かったら、
ロッジに換える事をおすすめします。これはエンジンオイルも同じ事が言えます。蓼科にいた8万kmの間は
セレニアのオイルを3.500km毎に交換しておりました。一度カストロールを入れたことが有りましたが、すぐにセレニアに入れ替えました。
上手く言えませんがボクサーエンジンのあのビート感が無くなってしまったのです。
33の魅力は何とも言えない粘りのある気持ちの良いエンジンです。軽い車重も低い重心も回頭性のいい前輪と相まって
オンザレールな走りを味わえます。山道などで33はそれなりに速い車です。サスペンションが良いのだと思います。ややロールを伴い
粘って回り込む独特なコーナリングは、むしろ速さより楽しさが勝って”ちょうど良いスポーツ走行”が出来るALFAROMEOです。
ですが、一番のマイナスポイントはブレーキがプアな事です。僕の33にはABSが付いていて雪道などではそれなりに有効ですが、
踏力を必要とする割りに踏み込んでも効き目が弱いブレーキは慣れても怖いと感じるものです。
僕の33は三度ブレーキパッドを交換しています。8万km時には前後のローターも換えて有ります。
10万キロの記録の陰に

33を維持して行く上で、最も大変なのはパーツを探し出す事と、優秀な工場に巡り会えるかという事になります。
優秀というのは、その車の元々持っている良さを蘇らせてくれる腕を持ってい、まとめ上げる技術が有るということです。
蓼科に住んでいたときは諏訪市にある”GARAGE FOR”という小さな工場で面倒を見て貰いました。
細やかな相談にものってくれるし、料金も安く、何よりも僕の好みに合っていたと思います。
最初のブレーキパッド交換は自分の手で行いました。フロントのパッドはVW GOLFの物を流用しました。
【写真の上のがゴルフ用下が33のフロントに付いていた物です】
リアはプジョー306の物が使え、余談ですがエアークリーナーはランチアデルタHF用のが使えます。
なぜ流用かと云いますと、僕が33を購入した埼玉の輸入車専門店は、契約の際に『パーツが手に入らない車です。
当店では購入後のメンテやパーツの調達はいたしません』という非常に厳しく無責任なものです。
根っから楽観的な僕は、それでもALFAROMEOのこのワゴンが欲しくて契約に踏み切りました。
ちなみに購入価格は265万円でした。(268万円から3万円引き)諸々の諸費用を含め310万円だったと思います。
妻に対しても意地が有りました。維持費が掛かる車だと思われるのはいやだし、パーツが手に入らないと
嘆いているのもカッコが悪い。この車に乗って一番変わったのは僕自身だったような気がします。
前向きに積極的に自動車趣味を楽しむ事を覚えました。
ここで、サイドブレーキのワイヤーについて書きましょう。33のワイヤーはリアアクスルの下を通って上向きに付いています。
露出したワイアー部には、水が入り込まないように蛇腹のゴムが付いています。
このゴムの質が悪くほぼ一年で切れてしまいます。切れるとここから雨水などが進入し錆びてしまいます。錆びると動きが悪くなり
サイドブレーキが戻らない現象が起きますが、油を流し込む事で有る程度改善出来ます。一番大きな問題点は冬の雪道、解けた
雪が進入し凍ってしまうことです。一度凍るとワイアーを直接暖めないとブレーキが利いたままリアタイアはロックされて
思うように動けません。ほんの少しワイアーが戻ってもブレーキは焼けてパッドも駄目になるし、発火の危険も有ります。
僕は毎年この問題に悩まされました。蓼科はマイナス20℃近く気温が下がることも有ります。一年でワイアーを二度も駄目にしたことも
有りました。冬はとにかくサイドブレーキには手を触れてはいけません。(笑)
一度信号待ちで、サイドブレーキを引いた事がありました。一瞬で凍りスタートの時にはリアタイアがロックされ”低走行ドリフト”
を演じ
通りがかりの主婦に「後ろのタイア動いてないよ」と指摘された事が有りました。
そこで、GARAGE FORに相談すると、ゴムの蛇腹を作ってもらう話になりましたが
金型を作って希望サイズの物を作ると最低でも500個の注文が欲しいと言われました。
ブレーキワイヤーで困っている33乗りは僕しかいないだろうし、同じ症状が起こる145だって寒い地方の人に限ると
500個はどう考えても多い数でした。結局国産のワイアーメーカーにワンオフでワイアーを作ってもらう算段になりました。
左右の長さを計測し、たぶん一週間程度で作ってもらったと思います。価格も安かったと思いますが、
資料が無く正確な価格は覚えておりませんが、何よりもゴムが素晴らしかったです。蛇腹では無く少し長めの筒状のゴムが付いてました。
それ以来僕の33のサイドブレーキは凍った事は有りません。試しに寒い夜に引いて見ましたが凍る気配は有りませんでした。
寒い地方で145にお乗りの方、お試しください。

33は雪道に強い?何とも言えません。(笑)僕が住んでいた所は標高1.550mです。日本で一番高いところに住むALFAだったかも知れません。
そんな高地でしたが毎日の通勤も33が駄目だった事は有りませんでしたが、車高が低いので大量の新雪が降った朝などは、
ラッセル状態になって動けなくなったことが一度だけ有りましたが、たぶん33じゃなくても、おおかたの車は動けなくなるでしょう。
33は車重も軽いので滑る路面での制動力も優秀で、上り坂でのトラクションも良好です。
ですが冷え込む朝はドアが凍って開かないというトラブルが多かったです。ドアキャッチとゴムの
ウェザーストリップが凍って張り付きます。握るタイプのドアハンドルを
力一杯引っ張ってようやく開きます。このとき運転席以外のドアを開けてはいけません。凍ったドアキャッチは閉めてもロックが効かず
バウンドして開いてしまいます。つまりドアキャッチが戻るまで、走行中はドアを手で引っ張っていなければなりません。
離すとコーナーでドアが勝手に開いちゃいます。

ドアキャッチのトラブルは、他の33にも有ったようです。NAVI誌に紹介された千葉の33はドアノブごと抜けたという、衝撃的な
トラブルが書かれていて、当時同じく33オーナーとしては毎日ドアが抜ける夢を見てはうなされる日々が続きました。(笑)
僕の33の場合ドア内部に有るバネが折れた事があり、内側からドアか開閉不能になるトラブルが有りました。写真のように途中から折れて
しまったため、バネを一巻き少なくして延ばして使いました。とりあえず開くようにはなりましたが、テンションが掛からない為
何度もドアノブを引っ張らないと開かないという現象が数年続きましたが他の整備で入院中にGARAGE FORの社長が代用品を見つけて
直してくれました。

ドア内部のトラブルをもう少しご報告します。僕の33にはカーオーディオは付属しておりませんでしたが、購入時にサービスで
JVCのカセットを付けてもらいました。ドアには初めからスピーカーがマウントされておりましたが、時々運転席側の高音がとぎれる
事が有りました。接点不良だろうと思って気にしないで走行していたら、ある日完全に音が出なくなり中低音だけが聞こえて来ます。
仕方なしにドアの内張を剥がしてみると、ツゥイーターにマグネットが付いていません。コイルがむき出しになっているのです。

物がマグネットだけにドアの内側に張り付いていて直ぐに接着剤で貼り元通り音が出ました。33のスピーカーはナチュラルで
いい音がします。ドアの内部に吸音材やバッフル板の補強をするともっと良くなるでしょうが、せっかく軽い車体ですから僕はこのまま行こう
と思ってます。以前マッキントッシュのパワーアンプにナカミチのヘッドユニット、ナカミチのウーファー等々でオートサウンド仕様を
33に展開したことが有りましたが、車重が重くなる事や車内が狭くなって使い勝手が悪くなったり、バッテリーが弱くなるなどの
弊害も有りましたので今は素のままです。でもカーオーディオには興味もあるので足車のキャラバンで今度展開したいと思ってます。
次のページもご覧ください