29日
10代の頃からあこがれ続けていたヘッドフォンがあった。
耳に当てて一人静かに音楽を聴く”あれ”で有る。
当時から20マンエン位していたと思うが、とうてい自分には買うことの出来ない高級品だった。
最近ネットオークションでそのメーカーのヘッドフォンを手に入れた。
メーカーは『イヤースピーカー』という名称で呼んでいる。
非常に忠実な再生音を聴かせてくれる。
耳に心地よい装着感は、国産メーカーSの高級機には敵わないが
ナチュラルな再生音は全くのボク好みで、晩酌タイムをしたためているこの時間も愛用している。
先日、風呂上がりに”ノラ・ジョーンズ”でも聴こうかと思い
CDをセット。イントロが流れる・・・・落ちた・・・・。
事の成り行きを目撃した家の奥さんは、「3秒でいびきをかいていた」と証言する。
ボクもイントロの数秒しか覚えていない。
何という心地よさなのか。
ヘッドフォンマニアのボクは、明日また新型器が届く事になっている。
アメリカのJ社のヘッドフォンだ。
こいつは、何秒でボクをイカせてくれるのだろう。
今日は、レーシングドライバーの東 徹次郎くんと彼のマネージャー良籐くんと半日を過ごした。
今シーズンのレース活動の資金集めの為にあちこち回った。
cafe GIULIAのページでも紹介しているので、是非とも皆さんご協力をお願いします。
男の”ロマン”等と言うと、女は”不満”と言われそうだが、彼をF1ドライバーにまで持っていきたいと本気で思っている。
仙石原に昨年オープンした”箱根ガーデン”に立ち寄ってお疲れさんのコーヒータイムをした。
駐車場にはプントが停まっていた。
ラウンジに行くと女性客が一人コーヒーを飲んでいた。
いや、紅茶かもしれないがそんなことはどうでもいい。
ヤバイ
かっこいいのだ。
黒いスーツを身にまとい、一人お茶をする姿が”決まって”いるのだ。
男を寄せ付けないビームを放っていた。
しかし、こんな時・・・我らが大先輩の山口館長なら、パイプを燻らせながら
「あのプントはあなたのお車ですか?」等と言い寄るに決まっている。
実際に見たわけでは無いが、見なくてもわかる。
そして、携帯の番号を聞きだし”交友関係”を広げていくのだ。
見習わなくては。
忙しい時だった、オーダーをこなしながら洗い物をし
冷蔵庫から食材を引っぱり出し、料理を作る繰り返し。
使いかけのジャガ芋が水に浸かっていた。
手が滑り水がこぼれた。
「ごめんなさい」ボクは謝った・・・・無意識に謝った・・・・
しかし、謝った相手は下の棚に置いてあった椎茸にだった・・・・・
虚しかった。
仕事が終わり、店の電気を消した。
エプロンを脱ごうと思いポケットに手を入れた。
あり得ない手触りを感じた・・・・
その瞬間、店中にボクの悲鳴が鳴り響いた「ギャ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
シットリと濡れたシメジが一本・・・たったそれだけだったが
何故?ポケットに。
ボクの住む町は平和だ。
中心部に有る唯一の万屋”金時堂”に新聞を取りに行く。
おばちゃんがパイプ椅子に座って微笑んでいた。
「なんだい?きょうは休みかい?」
「うん、学校から電話があってさぁ、娘が微熱が有るっていうから」
「迎えに来たのかい?」
「さっき一杯やっちゃったから、歩いて来たよ」
何気ない会話が続く。
奥から夕飯の支度をしているおばあちゃんが出てきて
「ねえ、コレ開けてくれないかい」
瓶詰めの佃煮を持っていた。
「オレはさぁ、色男だから金と力は無い訳よ」
ボクが言う。
あっさり空いて、
「なんだい、色男じゃ無かったね」
笑いが起こる。
夕方5時前、朝刊と夕刊を一緒に貰って行く。
金時堂前のバス停から娘が駆け寄って来た。
「ただいま」
「お帰り」
おばちゃんが微笑む。
隣の駐在さんは、向かいの広場で遊ぶ子供の凧が木に引っかかったのを見つけて救出に向かう。
そして、おばちゃんに「おばちゃんシャッター閉めるよ」と声をかけ、
今日も一日が終わる。